橘の花散る里のほととぎす片恋しつつ鳴く日しそ多き
大宰帥大伴卿和謌一首
橘之 花散里乃 霍公鳥 片戀為乍 鳴日四曽多寸
橘の花散る里のほととぎす片恋しつつ鳴く日しそ多き
語釈
- たちばな【橘】:果樹の名。初夏に香りの高い白い花をつける。果実は金柑に似ている。
- ほととぎす【霍公鳥】:古くから夏を知らせる鳥として親しまれた。その異名「しでの田長」から、死出の山と結びつけ、冥途から来る鳥と信じられた。
- かたこひ【片恋】:片思い。
橘の花が散る里のほととぎすは、片恋しつつ鳴く日こそ多いことよ。
大伴旅人
万葉歌碑の所在地
場所:太宰府歴史スポーツ公園
住所:〒818-0138 福岡県太宰府市吉松4丁目1-1