万葉集「巻8-1473番歌」の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑

  橘の花散る里のほととぎす片恋しつつ鳴く日しそ多き

目次

原文

 大宰帥大伴卿和謌一首

  橘之 花散里乃 霍公鳥 片戀為乍 鳴日四曽多寸

読み下し文

  たちばなの花散るさとのほととぎす片恋かたこひしつつく日しそ多き

語釈
  • たちばな【橘】:果樹の名。初夏に香りの高い白い花をつける。果実は金柑に似ている。
  • ほととぎす【霍公鳥】:古くから夏を知らせる鳥として親しまれた。その異名「しでの田長」から、死出の山と結びつけ、冥途から来る鳥と信じられた。
  • かたこひ【片恋】:片思い。

現代語訳

  橘の花が散る里のほととぎすは、片恋しつつ鳴く日こそ多いことよ。

作者

 大伴旅人

万葉歌碑

万葉集「巻8-1473番歌」の万葉歌碑 / 2024年10月4日訪問
万葉歌碑の所在地
太宰府歴史スポーツ公園 / 2024年10月4日訪問

場所:太宰府歴史スポーツ公園

住所:〒818-0138 福岡県太宰府市吉松4丁目1-1

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この記事を書いた人

『方丈記』に感銘を受けて古典文学にのめり込み、辞書を片手に原文を読みながら、自分の言葉で現代語に訳すことを趣味としています。2024年9月から10年計画で『源氏物語』の全訳に挑戦中です。

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