ちはやぶる金の岬を過ぎぬとも吾は忘れじ志賀の皇神
『万葉集』の第7巻1230番歌は、雑歌「覊旅にして作れる歌九十首」のうちの一首です。第7巻1230番歌の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑を紹介します。
覊旅作謌九十首
覊旅にして作れる歌九十首
千磐破 金之三埼乎 過鞆 吾者不忘 壮鹿之須賣神
ちはやぶる金の岬を過ぎぬとも吾は忘れじ志賀の皇神
語釈
- ちはやぶる【千早ぶる】:勢いが強い。荒々しい。
- かねのみさき【金の岬】:現在の福岡県宗像市鐘崎、織幡神社が鎮座する岬。古くから航海の難所であった。
- しか【志賀】:現在の福岡市東区志賀島。
- すめかみ【皇神】:神々を敬っていう語。志賀島では古来から海神が祭られている。
激しい波が荒れる金の岬を過ぎたとしても、私は忘れまい、志賀の海神の御加護を。
作者未詳
万葉歌碑の所在地
場所:志賀海神社境内(参道階段を上がって左側)
住所:〒811-0323 福岡県福岡市東区志賀島877