万葉集「巻6-957番歌」の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑

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原文

 冬十一月、大宰官人等奉拜香椎廟訖退歸之時、馬駐于香椎浦各述懐作謌

 帥大伴卿謌一首

  去来兒等 香椎乃滷尒 白妙之 袖左倍所沾而 朝菜採手六

読み下し文

 冬十一月、大宰の官人等くわんにんらしひみやをろがまつえて退まかり帰りし時に、馬をしひの浦にてておのおのおもひを述べて作れる歌

 帥大伴卿の歌一首

  いざどもしひかた白妙しろたへそでさへぬれてあさみてむ

語釈
  • かしひ【香椎】:現在の福岡市東区香椎の地。
  • こども【子供・子等・児等】:若い人々や目下の者に親しんで呼びかける語。
  • あさな【朝菜】:朝食の副食物。海草、野菜など。

現代語訳

 冬十一月、大宰府の官人たちが香椎宮を参拝し終えて帰る時に、馬を香椎の海辺に駐めて各自の思いを述べて作った歌

 大宰帥大伴卿の歌一首

  さあみんな、香椎の潟で真っ白な袖さえも濡らして、朝菜を摘もうではないか。

作者

 大伴旅人

万葉歌碑

万葉集「巻6-957番歌」の万葉歌碑 / 2024年10月27日訪問
万葉歌碑の所在地
福岡市東区「香椎宮」の参道入口 / 2024年10月27日撮影

場所:香椎宮の参道入口

住所:〒813-0011 福岡県福岡市東区香椎1丁目23

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この記事を書いた人

『方丈記』に感銘を受けて古典文学にのめり込み、辞書を片手に原文を読みながら、自分の言葉で現代語に訳すことを趣味としています。2024年9月から10年計画で『源氏物語』の全訳に挑戦中です。

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