冬十一月、大宰官人等奉拜香椎廟訖退歸之時、馬駐于香椎浦各述懐作謌
帥大伴卿謌一首
去来兒等 香椎乃滷尒 白妙之 袖左倍所沾而 朝菜採手六
冬十一月、大宰の官人等の香椎の廟を拜み奉り訖えて退り帰りし時に、馬を香椎の浦に駐てて各懐を述べて作れる歌
帥大伴卿の歌一首
いざ子ども香椎の潟に白妙の袖さへぬれて朝菜摘みてむ
語釈
- かしひ【香椎】:現在の福岡市東区香椎の地。
- こども【子供・子等・児等】:若い人々や目下の者に親しんで呼びかける語。
- あさな【朝菜】:朝食の副食物。海草、野菜など。
冬十一月、大宰府の官人たちが香椎宮を参拝し終えて帰る時に、馬を香椎の海辺に駐めて各自の思いを述べて作った歌
大宰帥大伴卿の歌一首
さあみんな、香椎の潟で真っ白な袖さえも濡らして、朝菜を摘もうではないか。
大伴旅人
万葉歌碑の所在地
場所:香椎宮の参道入口
住所:〒813-0011 福岡県福岡市東区香椎1丁目23