万葉集「巻14-3427番歌」の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑

  筑紫なるにほふ児ゆゑに陸奥のかとり少女の結ひし紐解く

原文

  筑紫奈留 尒抱布児由恵尒 美知能久乃 可刀利乎登女乃 由比思比毛等久

読み下し文

  筑紫つくしなるにほふゆゑに陸奥みちのくのかとり少女をとめひしひも

語釈
  • つくし【筑紫】:九州地方の総称。または筑前・筑後の総称。
  • にほふ【匂ふ】:つややかで美しい。
  • こ【児・子】:男女が互いに相手を親愛の情をこめて呼ぶ語。
  • みちのく【陸奥】:東山道の奥の意。磐城・岩代・出羽・陸前・陸中・陸奥の総称。
  • かとり【香取】:陸奥国内の地名。所在未詳。
  • をとめ【少女】:若い娘。未婚の女。
  • ひもとく【紐解く】:衣服の紐をほどく。下紐を解く。

現代語訳

  筑紫で出会った美しい女のために、陸奥の香取にいる女が結ってくれた紐をほどいてしまった

作者

 作者未詳

万葉歌碑

万葉集「巻14-3427番歌」の万葉歌碑 / 2024年10月4日訪問
万葉歌碑の所在地
太宰府歴史スポーツ公園 / 2024年10月4日訪問

場所:太宰府歴史スポーツ公園

住所:〒818-0138 福岡県太宰府市吉松4丁目1-1