志賀の白水郎の釣りし燭せる漁火のほのかに妹を見むよしもかも
『万葉集』の第12巻3170番歌は、相聞「覊旅に思いを発せる歌五十三首」のうちの一首です。第12巻3170番歌の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑を紹介します。
覊旅發思謌五十三首
覊旅に思いを発せる歌五十三首
思香乃白水郎乃 釣為燭有 射去火之 髣髴妹乎 将見因毛欲得
志賀の白水郎の釣りし燭せる漁火のほのかに妹を見むよしもかも
語釈
- しか【志賀】:現在の福岡市東区志賀島。
- あま【白水郎】:「白水」は中国の地名。水に潜ることが得意な者がいたことから、漁師や海人を意味する。
- いも【妹】:男性が、妻・恋人・姉妹などを親しんで呼ぶ語。
志賀の漁師が釣りをして灯している漁火のように、ほのかにでもいいから貴女の姿を見るすべがほしいよ。
作者未詳
万葉歌碑の所在地
場所:志賀海小学校前の海岸
住所:〒811-0323 福岡県福岡市東区志賀島