万葉集「巻10-2197番歌」の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑

  いちしろく時雨の雨は降らなくに大城の山は色づきにけり

原文

  灼然 四具礼乃雨者 零勿國 大城山者 色付尒家里

  〔謂大城者、在筑前國御笠郡之大野山頂。号曰大城者也〕

読み下し文

  いちしろく時雨しぐれの雨は降らなくにおほの山は色づきにけり

  〔おほへるは、筑前国つくしのみちのくちのくに御笠郡みかさのこほりおほやまの頂にあり。なづけておほへるなり〕

語釈
  • いちしろし【著し】:はっきりしている。明らかである。
  • しぐれ【時雨】:晩秋から初冬にかけて断続的に降り通る雨。ときには雪まじりの冷たい雨。
  • おほきやま【大城山】:大宰府北方にあり、山頂に大宰府防備のための大野城が築かれた山。
  • みかさのこほり【御笠郡】:筑前国の郡名。現在の福岡県大野城市辺り。

現代語訳

  まだ本格的に時雨の雨は降っていないのに、大城の山は色づいてきた

  〔大城といわれるのは、筑前国御笠郡の大城山の山頂にあり。名付けて大城といわれるのである。〕

作者

 作者未詳

万葉歌碑

万葉集「巻10-2197番歌」の万葉歌碑 / 2024年10月4日訪問
万葉歌碑の所在地
太宰府歴史スポーツ公園 / 2024年10月4日訪問

場所:太宰府歴史スポーツ公園

住所:〒818-0138 福岡県太宰府市吉松4丁目1-1