いちしろく時雨の雨は降らなくに大城の山は色づきにけり
灼然 四具礼乃雨者 零勿國 大城山者 色付尒家里
〔謂大城者、在筑前國御笠郡之大野山頂。号曰大城者也〕
いちしろく時雨の雨は降らなくに大城の山は色づきにけり
〔大城と謂へるは、筑前国御笠郡の大城山の頂にあり。号けて大城と曰へるなり〕
語釈
- いちしろし【著し】:はっきりしている。明らかである。
- しぐれ【時雨】:晩秋から初冬にかけて断続的に降り通る雨。ときには雪まじりの冷たい雨。
- おほきやま【大城山】:大宰府北方にあり、山頂に大宰府防備のための大野城が築かれた山。
- みかさのこほり【御笠郡】:筑前国の郡名。現在の福岡県大野城市辺り。
まだ本格的に時雨の雨は降っていないのに、大城の山は色づいてきた
〔大城といわれるのは、筑前国御笠郡の大城山の山頂にあり。名付けて大城といわれるのである。〕
作者未詳
万葉歌碑の所在地
場所:太宰府歴史スポーツ公園
住所:〒818-0138 福岡県太宰府市吉松4丁目1-1