わすれ草わが紐に付く香具山の故りにし里を忘れむがため
『万葉集』の第3巻に収録されている334番歌は、大伴旅人が詠んだ歌です。万葉歌碑は福岡県太宰府市にある「太宰府メモリアルパーク」にあります。太宰府メモリアルパークはなんと16基もの万葉歌碑が設置されている宝庫。博多湾まで一望できる景色も素晴らしいので、ぜひ訪れてみてください。『万葉集』第3巻、334番歌の原文・読み下し文・現代語訳と、万葉歌碑の場所をご紹介します♪
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第3巻 334番歌の原文・現代語訳
萱草吾紐二付香具山乃故去之里乎忘之為
わすれ草わが紐に付く香具山の故りにし里を忘れむがため
語釈
- わすれくさ【忘れ草】:萱草の別名。憂いを忘れる草といわれ、垣根に植えたり下着の紐に付けたりした。
- かぐやま【香具山】:旅人の故郷、明日香(現在の奈良県橿原市)にある山。
- ふる【故る・古る・旧る】:古くなる。年が経つ。
わすれ草をわが紐に付ける。香久山が遠くなつかしい古里を忘れようとするために。
鴨
高齢で大宰府に赴任した旅人は、もう故郷に帰れないと寂しかったかも♪
第3巻 334番歌の万葉歌碑
『万葉集』第3巻、334番歌の万葉歌碑は、福岡県太宰府市の「太宰府メモリアルパーク」にあります。
住所:〒818-0134 福岡県太宰府市大佐野字野口807-128
太宰府メモリアルパークは広大な敷地の公園墓地で、1424番歌の万葉歌碑は「メモリアル渓流」というエリアにあります。小高い山上にあり、車がないと行きづらい場所ではありますが、無料送迎バスがあります。JR二日市駅、または西鉄都府楼前駅から1日4便(水曜運休)運行中(2024年10月15日時点)。詳しい時刻や最新情報は公式サイトをご確認くださいませ。