万葉集「巻8-1538番歌」の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑

  萩の花尾花葛花瞿麦の花女郎花また藤袴朝貌の花

『万葉集』の第8巻に収録されている1538番歌は、山上憶良が詠んだ「秋の七草」の歌二首、その二です。万葉歌碑は福岡県太宰府市にある「落合公園」と、同市の「太宰府メモリアルパーク」にあります。太宰府メモリアルパークはなんと16基もの万葉歌碑が設置されている宝庫。博多湾まで一望できる景色も素晴らしいので、ぜひ訪れてみてください。『万葉集』第8巻、1538番歌の原文・読み下し文・現代語訳と、万葉歌碑の場所をご紹介します♪

第8巻 1538番歌の原文・現代語訳

原文

  芽之花乎花葛花瞿麦之花姫部志又藤袴朝㒵之花 其二

読み下し文

  はぎの花ばな葛花くずばな瞿麦なでしこの花女郎花をみなへしまた藤袴ふぢばかま朝貌あさがほの花 その二

語釈
  • はぎ【萩】:秋の七草の一つ。
  • をばな【尾花】:秋の七草の一つ。すすきの花穂。
  • くず【葛】秋の七草の一つ。
  • なでしこ【瞿麦・撫子】:秋の七草の一つ。
  • をみなへし【女郎花】:秋の七草の一つ。
  • ふぢばかま【藤袴】:秋の七草の一つ。
  • あさがほ【朝貌・朝顔】:秋の七草の一つ。具体的に何をさすかは未詳。ききょう・むくげ・ひるがおなど諸説あり。

現代語訳

  はぎの花、ばな葛花くずばな瞿麦なでしこの花、女郎花をみなへし、また藤袴ふぢばかま朝貌あさがほの花。 その2。

鴨

訳す必要なかったかも♪

秋の七草

萩の花

尾花

葛花

なでしこの花

女郎花

藤袴の花

朝貌の花

桔梗

むくげ

昼顔

第3巻 1538番歌の万葉歌碑

『万葉集』第8巻、1538番歌の万葉歌碑は、福岡県太宰府市の「落合公園」と、同市の「太宰府メモリアルパーク」にあります。

落合公園の場所

住所:〒818-0139 福岡県太宰府市宰都1丁目4

 西鉄都府楼前駅から約450m、歩いて6~7分ほどの距離です。「秋の七草」の歌二首、その一とその二の万葉歌碑が並んで立っています。御笠川を挟んだ向かい側には太宰府市総合体育館(とびうめアリーナ)があり、その敷地内にも2基の万葉歌碑がありますので、ぜひ合わせて行ってみてくださいね♪

落合公園の万葉歌碑

『万葉集』第8巻 1537番歌の万葉歌碑 / 2024年10月4日訪問
『万葉集』第8巻 1537番歌、1538番歌の解説 / 2024年10月4日撮影

  秋の野に 咲きたる花を 指折およびおり かき数ふれば 七種ななくさの花 その一

  萩の花 尾花をばな葛花くずばな なでしこが花 をみなへし また藤袴ふぢばかま 朝顔が花 その二

鴨

その一、1537番歌はこちら♪

太宰府メモリアルパークの場所

太宰府メモリアルパーク内のメモリアル渓流 / 2024年10月4日訪問

住所:〒818-0134 福岡県太宰府市大佐野字野口807-128

 太宰府メモリアルパークは広大な敷地の公園墓地で、1538番歌の万葉歌碑は「メモリアル渓流」というエリアにあります。敷地内に全16基ある万葉歌碑のうち、5基がメモリアル渓流内あるとのことですが、このブログを書いている時に気づいてしまいました⋯⋯。なんと1基見逃していたのです(泣)。それも1537番歌の万葉歌碑。かなり注意深く探したつもりだったのですが、なぜ見つけられなかったのか不思議でなりません。また行った時に拝みます。

 太宰府メモリアルパークは車でしか行くのが難しい場所にありますが、無料送迎バスがあります。JR二日市駅、または西鉄都府楼前駅から1日4便(水曜運休)運行中(2024年10月15日時点)。詳しい時刻や最新情報は公式サイトをご確認くださいませ。

交通アクセス | 太宰府メモリアルパーク

太宰府メモリアルパークの万葉歌碑

『万葉集』第8巻 1538番歌の万葉歌碑 / 2024年10月4日訪問
太宰府メモリアルパークからの眺め / 2024年10月4日撮影