我が家では家庭菜園でモロヘイヤを栽培しており、実がなるまで育てています。
しかし、モロヘイヤの実には毒があり、種子やさやを食べると危険です。牛の死亡事例もあるほど強力な毒で、実がついたモロヘイヤは茎葉も毒性を帯びている場合があります。そのため、我が家では花が咲き始めたら収穫をやめ、種取り用の実がなるまでそのままにしています。
このように、家庭菜園では注意が必要なモロヘイヤですが、スーパーで売られているものには毒性がなく、安心して食べられます。モロヘイヤが毒を帯びるのは発芽期と成熟期で、私たちが野菜として食べている収穫期の茎葉には毒がないのです。
とはいえ、モロヘイヤに毒があると聞くと、「本当に安心して食べられるのか」「どの部分に毒があるのか」と不安になりますよね。そこで、この記事ではモロヘイヤの毒性について、毒がある部分と安心して食べるための注意点を解説します。
モロヘイヤの毒を食べるとどうなる?
モロヘイヤの毒性は、「ストロファンチジン」という成分によるものです。
ストロファンチジンは、心臓の働きに強く作用する「強心配糖体」の一種で、薬として不整脈の治療に使われることもあります。しかし、用法・用量を誤ると毒にもなる物質で、めまいや吐き気、動悸などの中毒症状を引き起こします。
モロヘイヤの毒による人間の死亡例はありませんが、長崎県の農家では、牛が死亡する事例が報告されています。実のついたモロヘイヤの枝を牛5頭に与えたところ、食欲不振や下痢、起立不能などの症状が見られ、5頭のうち3頭が死亡しました。
アフリカの原住民の中には、モロヘイヤの毒を利用して矢毒を作っていた歴史もあるそうです。それほど強力な毒性があるといえますが、モロヘイヤで特に注意が必要なのは、実にあたる種子とさやです。私たちが口にする収穫期の茎や葉には、基本的に毒性はありませんのでご安心ください。
モロヘイヤの毒は種とさや以外にもある
実は、モロヘイヤに毒があるのは、種とさやだけではありません。
発芽したばかりの新芽に注意
モロヘイヤは、毒性成分を含む種から発芽します。発芽したばかりの新芽や、育ち始めの若葉にも毒性があるのでご注意ください。
とはいえ、モロヘイヤの新芽がスーパーに並ぶことはないでしょう。気をつけたいのは、家庭菜園でモロヘイヤを育てている人です。野菜の間引き菜を味わえるのは、家庭菜園の特権ともいえますが、モロヘイヤの間引き菜は食べないようにしましょう。
実がついた株の茎葉に注意
収穫期のモロヘイヤには毒性がなく、葉も茎も安心して食べられます。しかし、株が成熟して実をつける頃になると、茎葉も毒性を帯びることがあります。
ここで注意が必要なのも、家庭菜園でモロヘイヤを育てている人です。古くなった株から葉や茎を収穫する際は、十分に注意しましょう。我が家では、花が咲き始めた時点で収穫をやめ、種取り用としてそのまま育てるようにしています。
スーパーに流通しているモロヘイヤは、基本的に花が咲く前に収穫されたものです。そのため、この点についても心配はいりません。
花が咲いたモロヘイヤは食べられない?
モロヘイヤの花が咲いたからといって、すぐに食べられなくなるわけではありません。我が家で収穫をやめるようにしているのは、単純に私が心配性なのと、種取りも楽しみたいからです。
農林水産省によると、モロヘイヤのつぼみができる時期の葉や茎、そしてつぼみには、毒性成分は含まれていないと報告されています。開花後のデータは確認できませんが、花が咲いた直後で、まださやができていない状態であれば、毒の心配は少ないのではないでしょうか。
スーパーで売っているモロヘイヤに毒性はない
このように、家庭菜園では注意が必要ですが、スーパーや直売所にモロヘイヤの新芽や実のついた株が出回ることはありません。収穫期の柔らかい葉と茎には毒性がないため、安心しておいしくいただきましょう。
食品安全委員会と農林水産省の報告でも、野菜として流通しているモロヘイヤから毒性成分は検出されておらず、食べても健康被害が起きることはないとしています。モロヘイヤを使った健康食品やお茶など、加工食品を調べた研究でも毒性成分は検出されませんでした。
モロヘイヤは「野菜の王様」と呼ばれるほど、栄養価の高い食材です。スーパーなどで見かけたら、ぜひ味わってみてください。