つるむらさきとほうれん草の違い|栄養価はどちらが高い?

つるむらさきとほうれん草は「味が似ている」と言われますが、種類も見た目も旬の時期もまったく異なる野菜です。

栄養価についても、つむらさきはカルシウムが多く、ほうれん草は鉄分が多いといった違いがあり、どちらの方が高いとも言えません。

この記事では、つるむらさきとほうれん草の違いをわかりやすく解説します。

栄養価の比較表も作成しましたので、ぜひ最後までご覧ください♪

つるむらさきとほうれん草の違い

つるむらさきとほうれん草は、まず種類が異なります。

つるむらさきはツルムラサキ科、ほうれん草はヒユ科の野菜です。

植物としての特徴も異なり、つるむらさきは名前の通り紫色のつるを伸ばしますが、ほうれん草は緑色の茎葉が真っすぐ生えてきます。

つるむらさき
ほうれん草

食味については確かに似ていますが、つるむらさきは少しぬめりがあるのに対し、ほうれん草にはぬめりがありません。

また、つるむらさきには赤茎種と緑茎種の2種類があり、赤茎種には独特のクセがあります。

緑茎種の方はクセもなく、おひたしにすると見た目もほうれん草とそっくりです。

つるむらさき(緑茎種)のおひたし
ほうれん草のおひたし

ちなみに、つるむらさきは英語で「Indian Spinach(インドのほうれん草)」と言います。

味が似ていることからそう名付けられたのかもしれません。

つるむらさきとほうれん草の栄養価を比較

つるむらさきは「カルシウムがほうれん草の3倍」とよく言われます。

文部科学省が提供している「食品成分データベース」によると、100g当たりのカルシウム含有量はつるむらさきが150mg、ほうれん草が49mgと確かに3倍です。

カルシウムの1日の摂取基準量は、30~74歳男性で約750mg、18~74歳女性で1日650mgですので、つるむらさき100gで5分の1以上を補うことができます。

一方でカリウムに関しては、つるむらさきが100g当たり210mg、ほうれん草が100g当たり690mgと、ほうれん草の方がつるむらさきの3倍以上含まれています。

また、鉄分はつるむらさきが100g当たり0.5mgであるのに対して、ほうれん草が100g当たり2.0mgと4倍。

よく言われているように、ほうれん草は鉄分が豊富な野菜です。

ビタミンについては、ビタミンKとビタミンCはつるむらさきの方が多く、ビタミンAとビタミンEはほうれん草の方が多く含まれています。

ビタミン全体としてはどちらも同じぐらい豊富に含まれていますが、特筆すべきは葉酸。

つるむらさきには100g当たり78μgの葉酸が含まれていますが、1日に必要な摂取基準量である240μgの約3分の1に匹敵します。

つるむらさきは葉酸も豊富な野菜と言えますが、ほうれん草に含まれる葉酸の量はなんとつるむらさきの3倍!

ほうれん草には100g当たり210μgの葉酸が含まれており、1日の摂取基準量をほぼ補うことができるんです。

このように、つるむらさきとほうれん草は成分によって栄養価が異なりますが、どちらも栄養豊富な野菜であることには変わりありません。

どちらもバランスよく、積極的に食べたいですね♪

栄養価比較表
栄養価比較表 つるむらさき ほうれん草
エネルギー 11kcal 18kcal
水分 95.1g 92.4g
タンパク質 0.7g 2.2g
脂質 0.2g 0.4g
利用可能炭水化物 0.6g 0.1g
食物繊維 2.2g 2.8g
ナトリウム 9mg 16mg
カリウム 210mg 690mg
カルシウム 150mg 49mg
マグネシウム 67mg 69mg
リン 28mg 47mg
0.5mg 2.0mg
亜鉛 0.4mg 0.7mg
0.05mg 0.11mg
マンガン 0.29mg 0.32mg
ビタミンK 350μg 270μg
β-カロテン当量 3000μg 4200μg
ビタミンC 41mg 35mg
ビタミンE 1.3mg 2.3mg
ビタミンB1 0.03mg 0.11mg
ビタミンB2 0.07mg 0.20mg
ビタミンB6 0.09mg 0.14mg
葉酸 78μg 210μg
ナイアシン 0.3mg 0.6mg
パントテン酸 0.21mg 0.20mg

夏はつるむらさき、冬はほうれん草を食べよう

つるむらさきは夏、ほうれん草は冬が旬の野菜です。

ほうれん草は年中スーパーで見かけますが、つるむらさきは夏の時期だけたまに見かける程度。

あまり馴染みのない野菜かもしれませんが、夏にスーパーで見かけたらぜひ食べてみてください♪