あさつき(浅葱)の栄養と効能|特に多く含まれている成分は?

我が家では家庭菜園で毎年、あさつき(浅葱)を育てています。

球根を植えっぱなしでも葉を伸ばし、ずっと収穫し続けられるありがたい野菜です。

パッと見は小ネギにそっくりですが、よく観察すると色や触感、食味も少し異なります。

栄養価については、食物繊維、リン、葉酸など、小ネギよりも多く含まれている成分も。

簡単に育てられる健康野菜、あさつきの成分一覧と、特に多く含まれている栄養素から期待できる効能をまとめました。

あさつき(浅葱)の成分一覧

あさつき(浅葱)に含まれる成分は、文部科学省が提供している「食品成分データベース」で確認できます。

あさつきの成分一覧(100g当たりの量)
  • エネルギー(34kcal)
  • 水分(89.0g)
  • タンパク質(4.2g)
  • 脂質(0.3g)
  • 利用可能炭水化物(3.8g)
  • 食物繊維(3.3g)
  • ナトリウム(4mg)
  • カリウム(330mg)
  • カルシウム(20mg)
  • マグネシウム(16mg)
  • リン(86mg)
  • 鉄(0.7mg)
  • 亜鉛(0.8mg)
  • 銅(0.09mg)
  • マンガン(0.40mg)
  • β-カロテン当量(750μg)
  • ビタミンB1(0.15mg)
  • ビタミンB2(0.16mg)
  • ビタミンB6(0.36mg)
  • ビタミンC(26mg)
  • ビタミンE(2.5mg)
  • ビタミンK(50μg)
  • 葉酸(210μg)
  • ナイアシン(0.8mg)
  • パントテン酸(0.62mg)

出典:食品成分データベース
※このデータベースは、文部科学省が開発したものであり、試験的に公開しているものです。

特に多く含まれている栄養素は、食物繊維、リン、マンガン、葉酸など。

タンパク質も葉物野菜としては豊富で、小ネギ(100g当たり2.0g)の2倍以上含まれています。

あさつき(浅葱)の栄養と効能

厚生労働省「e-ヘルスネット」と、公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」のデータを元に、あさつき(浅葱)に特に多く含まれている栄養素と効能を紹介します。

食物繊維(100g当たり3.3g)

あさつきには、100g当たり3.3gの食物繊維が含まれています。

これは小ネギ(100g当たり2.5g)やほうれん草(100g当たり2.8g)、空芯菜(100g当たり3.1g)よりも高い数値です。

あさつきの葉をよく観察すると、縦に溝が入っているのがわかります。

あさつき(浅葱)の葉

実際に小ネギと食べ比べてみると、若干ですがあさつきの方がシャキシャキした食感が強く、いかにも食物繊維が多そうな感じです。

食物繊維は小腸で消化・吸収されずに、大腸まで届く成分。

便の容積を増やす作用があり、便秘の予防や整腸効果を期待できます。

その他にも、血糖値の上昇を抑えたり、血液中のコレステロール濃度を低下させたりと、多くの効能が明らかになっている食物繊維。

「第6の栄養素」とも言われておりますので、積極的に摂取したいですね♪

リン(100g当たり86mg)

リンはカルシウムに次いで人体に多く含まれているミネラルで、成人の体重の約1%を占めています。

そのうちの約85%は骨や歯を構成する成分、残りの15%は筋肉や細胞に存在しており、体内でのさまざまな働きに関わる栄養素です。

小ネギにも100g当たり36mgのリンが含まれていますが、あさつきは100g当たり86mgと2倍以上。

ただし、リンは食品添加物に多く使用されているため、カップラーメンなどのインスタント食品をよく食べる人は過剰摂取になりがち。

リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を阻害してしまうため、注意が必要です。

カップラーメンの薬味には、あさつきよりもネギの方がいいかも?

マンガン(100g当たり0.40mg)

マンガンは、体重70kgの成人の体内に約12mg存在するミネラル。

ほんの少しの量ですが、さまざまな酵素を活性化させる働きがあり、体内での代謝に不可欠な栄養素であると考えられています。

1日の摂取目安量は、成人男性で4.0mg、成人女性で3.5mg。

あさつき100gで、1日に必要なマンガンの10%を補うことができます。

とは言え、あさつきは薬味として少量を使うことがほとんどですので、100gも食べることはあまりないと思います。

マンガンを多く含む野菜としては、空芯菜がオススメ。

あさつきの3倍弱、100g当たり1.07mgものマンガンが含まれています。

葉酸(100g当たり210μg)

葉酸はビタミンの一種で、細胞の生産や再生に働きかける成分。

妊娠中に葉酸の摂取が推奨されているのは、胎児の発育に欠かせないからです。

また、葉酸を十分に摂取することで、胎児の先天異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを減らすことができると言われています。

細胞分裂に欠かせない栄養素であるため、妊婦でなくても十分な葉酸を摂ることが大切です。

1日の摂取基準量は、成人の男女ともに240μg、妊娠している場合は追加で240μgを摂取することが推奨されています。

あさつきには100g当たり210μgの葉酸が含まれており、これはほうれん草と同じ量です。

小ネギ(100g当たり120μg)よりも多く、100gで1日に必要な葉酸をほぼ補うことができますので、薬味として積極的に使いたいですね♪

あさつき(浅葱)栽培のすすめ

このように栄養豊富で、健康へのさまざまな効能が期待できるあさつき(浅葱)ですが、スーパーなどではなかなか売ってないですよね。

実際のところ、あさつきの生産量は小ネギの1%にも満たず、ほとんど流通していないのです。

ですが、あさつきは栽培がとても容易な植物。

球根を植えるだけで、真夏の暑い時期を除いて、ずっと収穫できます。

プランターでも簡単に育てられますので、ぜひ家庭菜園に取り組んでみてくださいね♪