アメリカでは栽培禁止?空芯菜の英語名を調べてわかったこと

空芯菜は英語で「Water Spinach」と言います。

「Spinach」は「ほうれん草」を表す英語ですので、直訳すると「水分の多いほうれん草」という意味。

他にも「River Spinach(川のほうれん草)」、「Swamp Morning-glory(沼地のアサガオ)」などの呼び名があり、「水」にまつわる英語名が付けられています。

でも、日本では空芯菜に川や沼地のイメージはありませんよね。

ほうれん草と比べて水分が多いとも感じません。

そこで、空芯菜がなぜ英語で「Water Spinach」と呼ばれているのか調べてみると、面白い事実にたどり着きました。

なんとアメリカでは有害雑草に指定されており、一部の州では栽培に許可が必要だと言うのです。

米国フロリダ州では空芯菜の栽培が原則禁止

出典:Ipomoea aquatica – Wikipedia

空芯菜は、USDA(米国農務省)により有害雑草に指定されている植物です。

日本でセイヨウタンポポやセイタカアワダチソウが要注意外来生物に指定されているように、アメリカでは空芯菜が在来種を侵略する植物として問題になっています。

特にフロリダ州では空芯菜が池を越えて繁殖し、水路が詰まるほどの被害が出たため、1973年に栽培が原則禁止となりました。

現在でもFDACS(フロリダ農業消費者サービス局)で禁止水生植物に指定されており、空芯菜を栽培するためには許可が必要で、非常に厳しい規定があります。

  • フロリダ州内での販売は禁止(州外への輸出のみOK)
  • 種をまくのは禁止(挿し木のみOK)
  • 常に花や種子がない状態を維持しなければならない
  • FDACSに苗床として登録され、四半期ごとに検査が必要
  • 自分の畑から逸出した空芯菜の駆除にかかる費用は栽培者の責任
出典:Water Spinach Regulations / Aquatic Plant Permit / Aquatic Plants / Aquaculture / Agriculture Industry / Home – Florida Department of Agriculture & Consumer Services

「大麻か!」ってぐらい厳しいですよね。

アメリカではフロリダ州だけでなく、カリフォルニア州とテキサス州でも空芯菜の栽培は許可制です。

日本では冬に枯れてしまう空芯菜ですが、暖かい地域では多年草。

年中枯れることなくどんどん増殖してしまうため、厳しく規制する必要があるのでしょう。

空芯菜の英語名「Water Spinach」の由来は?

出典:Ipomoea aquatica – Wikipedia

冒頭で述べた通り、空芯菜の英語名は「Water Spinach」。

なぜ「Water」が付いているかと言うと、水辺で繁殖する水生植物だからです。

日本ではそもそも自生しているのを見かけませんし、家庭菜園でも普通に畑で栽培するので、空芯菜に「水」のイメージはないですよね。

しかし、原産地の東南アジアでは川岸や湿地帯に自生しており、田んぼのような水を張った場所で栽培する方法も一般的。

池にイカダを浮かべて、30cm程度に伸びた苗を挿して栽培する「浮水栽培」という方法もあるようです。

フロリダ州で問題になっていた空芯菜も、池を越えて繁殖していたとのことで、本来は水が好きな植物なのでしょう。

我が家でも普通の畑でしか栽培したことがありませんが、水耕栽培にも挑戦してみたいと思いました。

ちなみに、空芯菜の学名は「Ipomoea aquatica」。

「lpomoea」は「ヒルガオ科サツマイモ属」を表す分類名で、「aquatica」は「水生の」という意味です。

「Spinach(ほうれん草)」はヒユ科の植物ですが、見た目や葉の形がほうれん草に似ているため、「Water Spinach」という英語名が付けられたのでしょう。

空芯菜は栄養豊富な夏野菜!

空芯菜の青菜炒め

アメリカで有害雑草に指定されるほど繁殖力旺盛な空芯菜。

それだけ強い植物と言うだけあって、栄養豊富な野菜です。

家庭菜園でも簡単に育てられて、調理も茹でたり炒めたりするだけで簡単。

多めの油とにんにくで炒めた空芯菜は絶品ですよ♪