モロヘイヤの栄養はすごい?栄養価・効能とネバネバ成分を解説

モロヘイヤの栄養はすごい?栄養価・効能とネバネバ成分を解説

モロヘイヤは「野菜の王様」と呼ばれるほど栄養成分が豊富で、ホウレンソウやツルムラサキなどの健康野菜と比較しても、全体的な栄養価は群を抜いて高いです。特にβ-カロテン(ビタミンA)・ビタミンC・ビタミンE・ビタミンKなどビタミン類が多く、食物繊維はホウレンソウやツルムラサキの倍以上も含まれています。

モロヘイヤは、ネバネバした食感も特徴です。あのネバネバ成分も食物繊維の一種で、血糖値やコレステロールの上昇を抑える、胃腸の粘膜を保護する、便通を整えるなどの効能があるといわれています。

この記事では、モロヘイヤに含まれる栄養成分と効能について、ホウレンソウやツルムラサキと比較しながら解説します。

モロヘイヤに含まれる栄養と効能

モロヘイヤ(茎葉・生)100g当たりの栄養成分一覧

モロヘイヤにはどんな成分がどのくらい含まれているのか、文部科学省が公開している「食品成分データベース」をもとに、栄養成分を一覧表にまとめました。

栄養成分含有量
エネルギー36kcal
水分86.1g
たんぱく質4.8g
脂質0.5g
炭水化物6.3g
食物繊維5.9g
ナトリウム1mg
カリウム530mg
カルシウム260mg
マグネシウム46mg
リン110mg
1.0mg
亜鉛0.6mg
0.33mg
マンガン1.32mg
β-カロテン10,000μg
ビタミンE6.5mg
ビタミンK640μg
ビタミンB10.18mg
ビタミンB20.42mg
ナイアシン1.1mg
ビタミンB60.35mg
葉酸250μg
パントテン酸1.83mg
ビオチン14.0μg
ビタミンC65mg

モロヘイヤに特に多く含まれる成分と効能

食物繊維

モロヘイヤには、100g当たり5.9gの食物繊維が含まれています。食物繊維は便の量を増やして腸の動きを助けるほか、糖やコレステロールの吸収を緩やかにします。便通を整え、腸内環境を健康に保つ働きも期待できます。

β-カロテン

β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換される成分です。目の健康や皮膚、粘膜を正常に保つ働きに関わるほか、抗酸化作用によって活性酸素の働きを抑えます。モロヘイヤには、100g当たり10,000μg含まれています。

ビタミンC

ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、皮膚や血管などをつくるコラーゲンの生成に欠かせません。抗酸化作用を持ち、細胞を酸化によるダメージから守るほか、植物性食品に含まれる鉄の吸収を助ける働きもあります。

ビタミンE

ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種で、モロヘイヤには100g当たり6.5mg含まれています。強い抗酸化作用を持ち、細胞膜に含まれる脂質の酸化を防ぎ、血管や細胞を健康に保つ働きがあります。

ビタミンK

ビタミンKは、血液を固めるために必要な成分の生成に関わる脂溶性ビタミンです。骨の形成を助け、骨を健康に保つ働きもあります。モロヘイヤには、100g当たり640μgと非常に多く含まれています。

葉酸

葉酸はビタミンB群の一種で、細胞の分裂やDNAの合成、赤血球の形成に関わります。胎児の正常な発育にも必要な栄養素です。モロヘイヤには100g当たり250μg含まれており、野菜から葉酸を摂取したいときにも向いています。

カリウム

カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出し、水分量を調整するミネラルです。筋肉や神経を正常に働かせるためにも必要です。モロヘイヤには、100g当たり530mg含まれています。

カルシウム

カルシウムは、骨や歯をつくる主要な成分です。筋肉の収縮や神経からの情報伝達、血液凝固などにも関わります。モロヘイヤには100g当たり260mg含まれており、野菜の中ではカルシウムが豊富です。

ケルセチン

栄養成分一覧表にはありませんが、モロヘイヤにはポリフェノールの一種である「ケルセチン」の配糖体も含まれています。ケルセチンには活性酸素の働きを抑える抗酸化作用が期待されており、ビタミンCやビタミンEと一緒に摂取できるのも特徴です。

モロヘイヤのネバネバ成分は何?

モロヘイヤを細かく刻むと出てくるネバネバは、水溶性多糖類を中心とした成分です。多糖類は、糖がいくつも結びついてできた成分で、食物繊維として働きます。

水溶性食物繊維には、糖やコレステロールの吸収を緩やかにする働きがあります。食後の血糖値やコレステロールの上昇を抑えるほか、腸内環境を整え、便通を改善する効能も期待できます。

ちなみに、モロヘイヤのネバネバ成分を「ムチン」と呼ぶのは誤りとされています。ムチンは動物の粘液に含まれる糖タンパク質であり、植物のネバネバ成分とは別物です。

植物のネバネバ成分がムチンと呼ばれるようになったきっかけは、1884年に「山芋からムチンが発見された」とする研究が発表されたことです。その後も山芋にムチンが含まれるという説が広まり、教科書や一般書にも掲載されるようになりました。

しかし、1928年には、山芋のネバネバ成分はマンナンとタンパク質の混合物であり、ムチンではないことが指摘されています。それでも古い説明は訂正されないまま残り、やがてモロヘイヤやオクラなど、ほかの植物のネバネバ成分までムチンと呼ばれるようになったと考えられています。

モロヘイヤと他の野菜との栄養比較

モロヘイヤの栄養価がどれほど高いのかは、他の野菜と比較するとよくわかります。同じ緑黄色野菜であるホウレンソウと、夏に旬を迎え、ネバネバした食感を持つツルムラサキの栄養価を比較してみましょう。数値はすべて、生の可食部100g当たりです。

モロヘイヤ vs ホウレンソウ

栄養成分モロヘイヤホウレンソウ
食物繊維5.9g2.8g
カリウム530mg690mg
カルシウム260mg49mg
マグネシウム46mg69mg
1.0mg2.0mg
βカロテン10,000μg4,200μg
ビタミンE6.5mg2.1mg
ビタミンK640μg270μg
葉酸250μg210μg
ビタミンC65mg35mg

モロヘイヤとホウレンソウの栄養価を比較すると、モロヘイヤには食物繊維とビタミン類が特に多く含まれていることが分かります。ミネラル類も、カルシウムはホウレンソウの5倍近く含まれており、カリウムやマグネシウムも比較的豊富です。

一方のホウレンソウは、イメージ通り鉄分が豊富です。モロヘイヤの2倍含まれています。

モロヘイヤ vs ツルムラサキ

栄養成分モロヘイヤツルムラサキ
食物繊維5.9g2.2g
カリウム530mg210mg
カルシウム260mg150mg
マグネシウム46mg67mg
1.0mg0.5mg
βカロテン10,000μg2,900μg
ビタミンE6.5mg1.1mg
ビタミンK640μg350μg
葉酸250μg78μg
ビタミンC65mg41mg

モロヘイヤとツルムラサキを比較すると、マグネシウム以外のほとんどの栄養成分でモロヘイヤが上回っています。特にβ-カロテンと葉酸は3倍以上、ビタミンEは約6倍、食物繊維とカリウムも2倍以上含まれています。

ツルムラサキも栄養価の高い夏野菜で、マグネシウムはモロヘイヤよりも多く含まれています。それでも、全体的にモロヘイヤの方が栄養価が高いことは否めません

モロヘイヤの栄養素を効率よく摂る方法

モロヘイヤの栄養素をもっとも効率よく摂取できるのは、生のまま食べることです。例えば、水溶性食物繊維やビタミンCなどは水に溶けやすく、茹でると栄養価が減ってしまいます。また、加熱によって減少する成分もあるため、栄養成分を効率よく摂るには生で食べるのが一番です。

モロヘイヤは生でもおいしく食べられる野菜ですが、そればかりでは飽きてしまいますよね。モロヘイヤの栄養素をできるだけ損なわず、おいしく食べる方法を紹介します。

薬味として食べる

モロヘイヤをサラダにして生のまま食べれば、栄養素を最大限に摂取できます。ただ、サラダばかりでは飽きてしまいますし、生野菜が苦手な方もいるかと思います。そんな方には、モロヘイヤを薬味として使うのがおすすめです。

モロヘイヤを細かく刻んで、納豆・冷ややっこ・そうめん・そばなどに加えると、モロヘイヤ特有のネバネバした食感を楽しめます。私はパスタに混ぜて食べるのが特に好きです。

一度にまとめて刻んでタッパーに保存しておけば、いつでもすぐに使える薬味になります。少量ずつ手軽に食べられるうえ、加熱しないため、栄養素も効率よく摂取できます。

茹でて食べるならスープで

モロヘイヤをお湯で茹でると、水に溶けやすい栄養成分がゆで汁に茹で汁に流れ出てしまいます。「食品成分データベース」では茹でたモロヘイヤの栄養価も公開されていますが、生のモロヘイヤと比較すると、成分量の差は一目瞭然です。

モロヘイヤの栄養成分比較表(生 vs 茹で)

栄養成分茹で
食物繊維5.9g3.5g
カリウム530mg160mg
カルシウム260mg170mg
β-カロテン10,000μg6,600μg
ビタミンE6.5mg3.4mg
ビタミンK640μg450μg
ビタミンB20.42mg0.13mg
葉酸250μg67μg
ビタミンC65mg11mg

おひたしで食べるのはおすすめしない

このように、モロヘイヤを茹でると、生の状態と比べて栄養価がかなり落ちてしまいます。それでも栄養価は十分に高いのですが、栄養素を効率よく摂取するなら、茹で汁を捨ててしまうおひたしで食べるのはあまりおすすめできません。

スープで食べるのがおすすめ

モロヘイヤを茹でても、茹で汁を捨てずに飲めば、溶けだした栄養成分も一緒に摂取できます。つまり、汁ごと飲むスープや味噌汁にすればよいのです。

特にモロヘイヤのスープは、エジプトを代表する定番料理です。古代エジプト王が重い病気にかかった際、モロヘイヤのスープを飲んで回復したという伝説もあり、「王様の野菜」と呼ばれる由来の一つともなっています。

また、細かく刻んで保存しておいたモロヘイヤを、スープや味噌汁の薬味としてそのまま散らすのもおすすめです。

お肉と一緒に調理するのもおすすめ

モロヘイヤをお肉と一緒に調理するのもおすすめです。モロヘイヤに豊富なβ-カロテン、ビタミンE、ビタミンKなどは、油に溶けやすい脂溶性の成分です。お肉に含まれる脂質と一緒に食べることで、栄養素が体内に吸収されやすくなります。

モロヘイヤは油との相性もいいので、サラダにオリーブオイルやゴマ油をかけたり、油を使ったドレッシングで和えたりするのもおすすめです。

モロヘイヤを食べるときの注意点

モロヘイヤの毒性について

モロヘイヤには、種子やさやに毒があります。株が成熟し、実のついたモロヘイヤは、茎や葉も毒性を帯びている場合があり、種から発芽したばかりの新芽にも注意が必要です。そのため、特に家庭菜園でモロヘイヤを育てている方はご注意ください。

スーパーなどで販売されている収穫期のモロヘイヤには毒はなく、安心して食べられます。基本的には花が咲く前に出荷されるため、実のついたモロヘイヤが出回ることもありません。スーパーで見かけたら、ぜひ食べてみてください。

妊婦が食べても大丈夫?

モロヘイヤに毒があると聞くと、収穫期のモロヘイヤは安全だといわれても、あらゆることに気を配っている妊婦の方は不安が残りますよね。

スーパーなどで売っているモロヘイヤが安全だというのは、内閣府に設置されている「食品安全委員会」でも見解が示されています。

このように、収穫期のモロヘイヤからも、モロヘイヤを使った加工食品からも、有毒成分は検出されていません。スーパーなどで購入したモロヘイヤであれば、妊娠中も安心して食べられます。

モロヘイヤには、100g当たり250μgの葉酸が含まれています。厚生労働省の食事摂取基準では、妊娠中は通常よりも多くの葉酸を摂取することが推奨されており、食品安全委員会でも、緑黄色野菜から葉酸を摂ることを推奨しています。

モロヘイヤはまさに緑黄色野菜です。妊婦の方は、ぜひ積極的に食べましょう。

ワルファリンを服用中の方は注意

モロヘイヤには、100g当たり640μgものビタミンKが含まれています。ビタミンKには血液を固める働きがあるため、血液の凝固を防ぐワルファリンを服用中の方は注意が必要です。

ワルファリンを服用中の方は、納豆・青汁・クロレラは少量でも食べてはいけないとされています。これらの食品はビタミンKの含有量が非常に多く、ワルファリンの効果をほとんどなくしてしまうからです。

モロヘイヤは絶対禁止というわけではないようですが、ビタミンKを豊富に含んでいる以上、たくさん食べるとワルファリンの作用を弱めてしまう可能性があります。ワルファリンを服用中の方は、必ずかかりつけの医師にご相談ください。

夏が旬のモロヘイヤを積極的に食べよう

このように、モロヘイヤにはビタミン類もミネラルも食物繊維も豊富に含まれています。「野菜の王様」と呼ばれるのも納得の、ほかの野菜と比べても栄養価の高い野菜です。

モロヘイヤの旬は夏です。収穫期は5~10月頃で、7~8月にピークを迎えます。スーパーでモロヘイヤを見つけたら、ぜひ積極的に食べてみてください。

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