つるむらさきの栄養と効能|栄養素一覧とねばねば成分の効果

「栄養豊富な緑黄色野菜」として注目されているつるむらさき。

ミネラルやビタミンなどの栄養素が豊富に含まれており、健康だけでなく美容に対する効能も高いと言われています。

つるむらさきのねばねば成分は、水溶性食物繊維の「ペクチン」。

整腸作用があり、便秘解消にも効果があると言われている栄養素です。

ちなみに、「つるむらさきやオクラのねばねば成分は『ムチン』である」とよく言われていますが、ムチンは唾液や鼻汁など、動物性の粘液に含まれる成分。

植物にムチンは存在せず、植物性の粘液は「ミューシレージ」と別の名称で呼ばれますのでご注意ください。

この記事では、つるむらさきに多く含まれる栄養素と、各成分の効能を紹介します。

つるむらさきの成分一覧

つるむらさきに含まれる成分は、文部科学省が提供している「食品成分データベース」で確認できます。

つるむらさきの成分一覧(100g当たりの量)
  • エネルギー(11kcal)
  • 水分(95.1g)
  • タンパク質(0.7g)
  • 脂質(0.2g)
  • 炭水化物(0.6g)
  • 食物繊維(2.2g)
  • ナトリウム(9mg)
  • カリウム(210mg)
  • カルシウム(150mg)
  • マグネシウム(67mg)
  • リン(28mg)
  • 鉄(0.5mg)
  • 亜鉛(0.4mg)
  • 銅(0.05mg)
  • マンガン(0.29mg)
  • ビタミンK(350μg)
  • β-カロテン当量(3000μg)
  • ビタミンC(41mg)
  • ビタミンE(1.3mg)
  • ビタミンB1(0.03mg)
  • ビタミンB2(0.07mg)
  • ビタミンB6(0.09mg)
  • 葉酸(78μg)
  • ナイアシン(0.3mg)
  • パントテン酸(0.21mg)

出典:食品成分データベース
※このデータベースは、文部科学省が開発したものであり、試験的に公開しているものです。

さすがは健康野菜と言われるだけあって、さまざまな成分が含まれていますね。

この中でも特に多く含まれている栄養素は、カルシウム、マグネシウム、ビタミンK、ビタミンC、葉酸など。

厚生労働省「e-ヘルスネット」と、公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」のデータを元に、つるむらさきに多く含まれている栄養素と効能を紹介します。

つるむらさきに多く含まれている栄養素と効能

カルシウム(100g当たり150mg)

つるむらさきには、100g当たり150mgのカルシウムが含まれています。

カルシウムの1日の摂取基準量は、30~74歳男性で約750mg、18~74歳女性で1日650mg。

つるむらさき100gで基準量の5分の1以上を摂取できますので、つるむらさきはカルシウムが非常に豊富な野菜と言えますね。

カルシウムは、骨や歯を形成するミネラルの一種です。

不足すると骨や歯が弱くなり、骨粗鬆症の原因にも⋯⋯。

つるむらさきを食べることで、骨や歯を強くし、骨粗鬆症を予防する効果を期待できますよ♪

マグネシウム(100g当たり67mg)

マグネシウムも、カルシウムとともに骨を形成するミネラルの一種。

300種類以上の酵素を活性化する働きもあり、健康維持に欠かせない栄養素です。

つるむらさきには100g当たり67mgのマグネシウムが含まれており、30~64歳男性の1日の摂取基準量370mgの約18%。

30~64歳女性では1日の摂取基準量が290mgですので、つるむらさき100gで5分の1以上のマグネシウムを補うことができます。

マグネシウムが不足すると、不整脈や虚血性心疾患、高血圧や筋肉のけいれんを引き起こし、神経過敏や抑うつ感が生じることも⋯⋯。

マグネシウムが豊富なつるむらさきには、あらゆる効能がありそうですね♪

ビタミンK(100g当たり350μg)

ビタミンKには、血液凝固を促進する作用と、骨の形成を促す作用があります。

1日の摂取基準量は、男女とも150μg。

つるむらさきには100g当たり350μgのビタミンKが含まれておりますので、50g食べれば基準量を満たすことができます。

ビタミンKは、骨粗鬆症の治療薬にも使用されている成分です。

つるむらさきはカルシウムとマグネシウムも豊富に含まれていますので、骨や歯への効能が高そうですね♪

β-カロテン当量(100g当たり3000μg)

β-カロテンは緑黄色野菜に含まれる赤橙色の色素成分で、摂取すると体内でビタミンAに変換されます。

「β-カロテン当量」という言い方をするのは、ビタミンA作用のあるカロテノイドが複数あり、それらをまとめてβ-カロテンで表しているためです。

つるむらさきの場合、β-カロテンが2900μg、α-カロテンが210μg、β-クリプトキサンチンが74μg含まれています。

α-カロテンとβ-クリプトキサンチンのビタミンAへの変換効率は、β-カロテンの半分程度。

そのため、つるむらさきのβ-カロテン当量は合わせて3000μgとなります。

β-カロテンの作用はビタミンAの約12分の1と言われており、3000μgのβ-カロテンをビタミンAに換算すると約250μg。

ビタミンAの1日の推定平均必要量は、成人男性で600~650μg、成人女性で450~500μgですので、つるむらさきを食べることでビタミンAを効率よく摂取できます。

ビタミンAの働きは、目や皮膚を健康に保ち、抵抗力を高めること。

美容効果も期待される成分で、化粧品や日焼け止めなどにも利用されています。

ビタミンC(100g当たり41mg)

ビタミンCも日焼け止めによく使われている成分で、皮膚のメラニン色素の生成を抑える作用があります。

また、抗酸化作用が強く、コラーゲンの生成に不可欠な栄養素であるため、美容化粧品にもよく利用されています。

ビタミンCの摂取推奨量は1日100mg。

つるむらさき100gで41mgのビタミンCが含まれていますので、1日の推奨量の半分近くを摂取することができます。

ビタミンAもビタミンCも豊富なつるむらさきは、美容にも高い効能を期待できますね♪

ビタミンE(100g当たり1.3mg)

ビタミンEも抗酸化作用が非常に強い成分。

  • 活性酸素の働きを抑える
  • 体内の脂質の酸化を防ぐ
  • 血中のLDL(悪玉)コレステロールの酸化を抑制する
  • 赤血球の破壊を防止する

など様々な作用があり、肌や血管の老化防止に効果があると言われています。

1日の摂取基準量は、成人男性で6.0~7.0mg、成人女性で5.0~6.5mg。

つるむらさき100gで1.3mgのビタミンEが含まれていますので、基準量の約20%を補えます。

ビタミンA、ビタミンCに続いて、ビタミンEも豊富なつるむらさき。

美容効果だけでなく老化予防への効能も期待できるなんて、素晴らしい健康野菜ですね♪

葉酸(100g当たり78μg)

葉酸と言えば、「妊娠中に必要な栄養素」というイメージがあるかと思います。

葉酸には細胞の生成や分裂を助ける作用があるため、細胞の増殖が盛んな胎児の成長に欠かせない栄養素なんですね。

また、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができるとも言われています。

葉酸もビタミンの一種であり、細胞の代謝に関わるため、胎児に限らず人体にとって必要な栄養素です。

1日に必要な摂取基準量は男女ともに240μg。

妊娠中の女性はさらに、1日240μgを追加摂取することが推奨されています。

100gのつるむらさきに含まれる葉酸の量は78μg。

基準量の約3分の1を摂取できますので、かなり豊富に含まれていると言えます。

葉酸サプリを飲んでいる方も多いかと思いますが、つるむらさきもぜひ食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

つるむらさきのねばねば成分で便秘解消?

つるむらさきのねばねば成分は、「ペクチン」という水溶性食物繊維によるものです。

ペクチンは水に溶けるとゼリー状になり、便をやわらかくして排便を促す作用があります。

そのため、つるむらさきのねばねば成分には便秘解消の効果があると言われています。

つるむらさきには水に溶けにくい不溶性食物繊維も含まれており、こちらも便秘解消に効果があると言われている栄養素。

不溶性食物繊維は便の量を増やして腸を刺激し、便通を整える働きがあります。

ただ、つるむらさきに含まれている食物繊維の量はそれほど多くはありません。

食物繊維の1日の摂取基準量は、18~64歳男性は21g以上、18~64歳女性は18g以上が目標とされています。

それに対してつるむらさきの含有量は、水溶性食物繊維が100g当たり0.6g、不溶性食物繊維が100g当たり1.6gで、合わせて2.2g/100g。

目標量の10%を少し超えるぐらいですので、「食物繊維が豊富な野菜」とは言い切れないかと思います。

つるむらさきに便秘解消効果はあるにはありますが、過度な期待はしない方がいいでしょう。

ちなみに、この記事の冒頭でも述べた通り、つるむらさきのねばねば成分は「ムチン」ではありません。

ムチンは唾液や鼻汁など動物性の粘液を指し、植物性の粘液は「ミューシレージ」と呼ばれますのでご注意ください。

つるむらさきを食べて若々しさを保とう♪

つるむらさきにはさまざまな成分が含まれており、その中でも特に多い栄養素は次の7つです。

  • カルシウム(100g当たり150mg)
  • マグネシウム(100g当たり67mg)
  • ビタミンK(100g当たり350μg)
  • ビタミンA(100g当たり250μg相当)
  • ビタミンC(100g当たり41mg)
  • ビタミンE(100g当たり1.3mg)
  • 葉酸(100g当たり78μg)

カルシウム、マグネシウム、ビタミンKには骨や歯を丈夫にする作用があります。

ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは抗酸化作用が強く、肌や血管の老化防止に役立つ栄養素です。

そして葉酸は細胞の代謝に欠かせない栄養素。

骨、歯、肌、血管、そして細胞を若々しく保つ効果を期待できますね。

栄養豊富なつるむらさきを食べて、年齢に負けない健康な体を維持していきましょう♪