コマツヨイグサの特徴|他のマツヨイグサとの違いと見分け方

 コマツヨイグサ(小待宵草)の一番の特徴は、茎が地面をはって広がること。他のマツヨイグサと比べて花が径2~3cmと小さい、葉が多形といった違いもありますが、見分けるには茎の伸び方をチェックするのが一番わかりやすいです。わが家の畑にコマツヨイグサが生えておりましたので、自分で撮った写真とともに特徴を紹介します。

コマツヨイグサの花の特徴

コマツヨイグサの花 / 2024年6月11日 午前6時頃撮影

 コマツヨイグサ(小待宵草)は名前の通り、径2~3cmほどの小さな花が咲くのが特徴です。色は淡い黄色。夕方に花が開くことから、宵を待って花が咲く「待宵草(マツヨイグサ)」という名前が付けられました。花は一夜限りで、翌朝には花がしぼみ始めます。花がしぼむと橙色に変わるのも特徴の一つ。ですがマツヨイグサの仲間で色が変化しないのはオオマツヨイグサぐらいだそうなので、花だけで見分けるのは難しそうです。

しぼみ始めたコマツヨイグサの花 / 2024年6月11日 午前9時頃撮影
しぼみ始めたコマツヨイグサの花 / 2024年6月11日 正午頃撮影
しぼんだコマツヨイグサの花 / 2024年6月11日撮影

コマツヨイグサの葉の特徴

 葉については、コマツヨイグサだけが持っている特徴があるようです。それは葉の形が同じでないこと。よく観察してみると葉の切れ込みが一定でなく、ギザギザの葉もあればほとんど切れ込みがない葉もありました。

コマツヨイグサの葉 / 2024年6月11日撮影
コマツヨイグサの葉 / 2024年6月11日撮影
コマツヨイグサの葉 / 2024年6月11日撮影
コマツヨイグサの若葉 / 2024年6月11日撮影

 ちなみにマツヨイグサの若葉は生でも食べられるそうです。花もそのまま食べられるそうなので、増殖してきたら食べてみようと思います。

コマツヨイグサの最大の特徴

地面をはうコマツヨイグサ / 2024年6月11日撮影

 マツヨイグサには主に5種類の仲間がいます。

マツヨイグサの仲間
  1. マツヨイグサ
  2. コマツヨイグサ
  3. オオマツヨイグサ
  4. メマツヨイグサ
  5. アレチマツヨイグサ

 この中でコマツヨイグサだけが持っている特徴は、茎が地面をはって広がること。茎がまっすぐ上に伸びているか、地面をはっているかの違いはひと目でわかるので、これが一番わかりやすい見分け方だと思います。同じ場所に2種類以上のマツヨイグサが生えていれば、花の大きさや色、葉の形を比較することで見分けられるかもしれません。でも1種類だけだと、花が大きいのか小さいのか、草丈が高いのか低いのか、など比べようがないですよね。コマツヨイグサだけを見分ける方法ではありますが、まずは茎が地面をはって伸びてるかどうかチェックしてみるといいと思います。 

横に広がるコマツヨイグサ / 2024年6月11日撮影

コマツヨイグサの花言葉

コマツヨイグサの花 / 2024年6月11日撮影

 コマツヨイグサの花言葉は、「ものいわぬ恋」、「ほのかな恋」、「静かな恋」、「浴後の美人」、「移り気」、「気まぐれ」など。もともとはツキミソウ(月見草)の花言葉であったのが受け継がれているそうです。ツキミソウもマツヨイグサと同じく、夕暮れ時に咲き始める植物。ツキミソウは花の色が白ですが、その特徴からしばしば間違えられることも多かったとか。

 ツキミソウは繁殖力が弱く、現在ではあまり見かけることがありません。それに対してマツヨイグサは繁殖力旺盛で、要注意外来種に指定されているほど。どちらも江戸時代末期から明治時代にかけて日本に入ってきた植物ですが、だんだんとマツヨイグサの方が多くなるにつれて、ツキミソウが吸収されていったのかもしれません。

 マツヨイグサもツキミソウも、俳句の夏の季語として使われています。明治から昭和初期の時代を生きた俳人、川端茅舎は「黄の上に緑の露や月見草」という俳句を詠みました。月見草の花は白ですので、待宵草を見て詠んだのでしょうか。