2026年の夏も暑い日が続くなか、当農園ではDIYで設置した雨水タンクが大活躍しています。畑の水やりをはじめ、収穫した野菜や果物の水洗い、農具の洗浄、汗だくになった作業服の下洗い、鶏の飲み水など、さまざまな用途に活用しており、今では農作業に欠かせない設備の一つです。
初めて設置したのは、2021年5月のことでした。使用したのは、スイコー社の500Lホームローリータンクです。現在は計4基の雨水タンクが稼働しており、1号基の設置から5年以上が経った今も、部品の故障やボウフラの発生といったトラブルはありません。
この記事では、雨水タンクを自作する方法を、実際の写真とともに紹介します。DIYでの設置手順、必要な部品と費用、使用した工具について、わかりやすく解説します。
自作した雨水タンクの完成形
まずは完成形をご覧いただいた方がイメージしやすいと思いますので、当農園に設置している4基の雨水タンクを紹介します。
雨水タンク1号基

こちらが、2021年5月に設置した1号基です。雨水タンクを自作しようと思ったのは、前年の2020年夏にまったく雨が降らない時期が続き、「もし断水したら⋯⋯」と不安を感じたことがきっかけでした。そこで、2021年の夏を迎える前に、畑に雨水タンクを設置することに決めました。
ちなみに、取水器の下に茶色いジョイントが重なっているのは、私が雨樋を切り取る位置を間違えてしまったからです⋯⋯。はい、めちゃくちゃ焦りました(笑)。読者の方が同じ失敗をしないように、設置手順では雨水タンクと雨樋を接続するときの注意点も解説します。
雨水タンク2号基

2号基は、1号基と同時に設置しました。1号基とホースでつなぎ、1号基が満タンになったら、2号基に雨水が流れ込む仕組みです。雨樋と直接接続する必要がなく、ホースを1本つなぐだけなので簡単に連結できます。
こうして、2基合わせて1,000リットルの雨水を貯められるようになりました。しかし、前年に続いて2021年の夏も雨が降らない日が続き、一時は2基とも空になってしまうほどでした。
雨水タンク3号基

2基の雨水タンクでは足りなかったため、翌年の2022年6月に3号基を追加しました。タンクの色が黒から青に変わったのは、注文する時に黒の在庫が切れていたためです。雨水タンクへの需要が増していたのかもしれません。
3号基は、雨樋の近くに設置スペースがなかったため、長いホースを使って、エアコンの室外機をまたぐように接続しました。ホースが長くなるほど取り回しが難しくなるため、設置場所を選べるのであれば、雨樋の近くにタンクを置くのが一番です。
雨水タンク4号基

さらに翌年の2023年7月には、4号基を追加しました。理由はやはり、雨が少なかったからです。今度ばかりはもう設置場所がなく、エアコンの室外機を2台またいで接続する羽目になりました。
しかし、4基目ともなれば作業にも慣れたもので、「雨水タンクの自作方法をブログで紹介しよう」と思えるほど余裕がありました。この記事では、この4号基を設置したときの手順を紹介します。
雨水タンクの補助金制度を確認しよう
雨水タンクの自作を始める前に、まずはお住まいの自治体に補助金制度がないか確認してみましょう。市区町村によっては、雨水タンク本体の購入費用や部品代、設置費用に対して補助金を受けられるところがあります。
制度によっては、購入前に補助金の申請を出す必要があります。そのため、まだ部品をそろえていない方は、先に自治体の公式サイト等で補助金の有無や申請方法を確認しておきましょう。
雨水タンクの補助金制度がある全国の自治体については、以下の記事にまとめています。お住まいの市区町村で利用できる制度がないか、こちらの記事で確認してみてください。
雨水タンクの自作に必要な部品と費用
雨水タンクをDIYで設置する際に使用した部品とそれぞれの価格、トータルでかかる費用は以下のとおりです。
- スイコー ホームローリータンク 500L:16,250円(税込)
- カクダイ 雨水取出し継手 571-512:3,611円(税込)
- カクダイ 雨水取出しホース 1m 571-514:1,312円(税込)
- 関西化工 ネジ付ソケット パッキン付 (20A):763円(税込)
- スイコー ジョイント/両ねじニップル25Aセット:2,849円(税込)
- キッツ ゲートバルブ125型 #1 FR25A:3,127円(税込)
- Mon amulette 銅板 100×200×1mm 銅シート:1,899円(税込)
価格は、2026年7月21日時点のAmazonでの販売価格です。商品によっては、別途送料がかかる場合があります。また、価格や在庫状況は日々変動するため、最新情報はAmazonストアフロントにまとめた「雨水タンクの自作に必要な部品一覧」からご確認ください。
また、この他に雨水タンクの土台として、高さ15cmのコンクリートブロックを4個使用しています。通販でも購入できますが、かなり割高になるので、お近くのホームセンター等で購入するのがおすすめです。
それぞれの部品について、一つひとつ紹介します。
スイコー ホームローリータンク 500L

雨水タンクの本体は、「スイコー ホームローリータンク 500L」を使用しています。カラーはブルー(青)、ブラック(黒)、レッド(赤)、レモン(黄)、グリーン(緑)の5色から選べます。ホームセンターでも購入できますが、軽トラがないと持ち帰れないので、Amazonで購入しました。
スイコー ホームローリータンク 500L:16,250円(税込)
カクダイ 雨水取出し継手 571-512


雨水を集めて、ホースへと流し込むための継手です。ホームセンターでは見つけられなかったため、こちらも通販で購入しました。対応する雨樋の形状が決まっておりますので、必ず通販サイト等でご確認ください。
カクダイ 雨水取出し継手 571-512:3,611円(税込)
カクダイ 雨水取出しホース 1m 571-514

雨水取出し継手とタンクをつなぐホースです。ホースバンドもセットで付いています。
カクダイ 雨水取出しホース 1m 571-514:1,312円(税込)
関西化工 ネジ付ソケット パッキン付 (20A)


雨水タンク側のホースの継手です。雨水タンクに穴を開けて、ソケットを差し込んでタンクの裏側からネジで留めます。実際のやり方は設置手順で解説します。
関西化工 ネジ付ソケット パッキン付 (20A):763円(税込)
スイコー ジョイント/両ねじニップル25Aセット




雨水タンクの排出口の部品です。排出口を開けたり閉めたりする、ゲートバルブを接続するために必要な部品です。セットで販売されています。
スイコー ジョイント/両ねじニップル25Aセット:2,849円(税込)
キッツ ゲートバルブ125型 FR-25A


雨水タンクの排出口を開け閉めするためのゲートバルブです。「FR-25A」という品番のものを使っています。配管のサイズによって種類がありますので、間違えないようにご注意ください。
キッツ ゲートバルブ125型 #1 FR25A:3,127円(税込)
銅板

銅板は、雨水タンク内の水質を保つ目的で使用しています。銅には抗菌作用があるとされているためです。必須の部品ではありませんが、私は入れておいた方がよいと考えています。当農園で実際に使用した銅板は、現在取り扱いがありません。そのため、サイズが近い代替候補として、以下の商品を紹介します。
Mon amulette 銅板 100×200×1mm 銅シート:1,899円(税込)
その他の使用部品
この他に、タンクの設置場所が雨樋から離れている場合や、雨樋の形状・サイズが取水器に合わない場合などは、別途部品が必要になることがあります。当農園では以下の部品を使用しました。
長いホースとホースバンド


雨樋からエアコンの室外機をはさんでタンクを接続する際に、カクダイの雨水取出しホース(1m)では長さが足りませんでした。そこで、代わりに長いホースとホースバンドを、ホームセンターで別途購入しました。
雨水タンク集水器用・角丸40mmアダプター


我が家の雨樋は角形で細いタイプだったので、カクダイの雨水取出し継手を取り付けるには別途アダプターが必要でした。ホームセンターでくまなく探しても見つからず、ネットでようやく見つけたのがこちらの商品です。
我が家の雨樋はかなり特殊なタイプなのか、このアダプターでも微妙に合わなかったため、パイプソーで切り取って加工しました。


雨水タンクの設置作業の中で、これが一番大変でした。読者の方の雨樋が、一般的なタイプであることを祈ります。
雨水タンクの自作に使用した工具
続いては、雨水タンクを自作する際に使用した工具を紹介します。
インパクトドライバー

雨水タンクにホースソケットを取り付けるため、穴開け加工が必要となります。私はKIMOという中国のメーカーのものを使用しておりますが、これで十分かと思います。コストパフォーマンスが良いのでオススメです。
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ホールソー&ドリルチャック


タンクにホースをつなぐ丸い穴を開けるために、ホールソーという円形ドリルを使います。インパクト本体のチャックが合わなかったため、ドリルチャックという変換アダプターも使用しました。どちらもホームセンターで購入したものです。ドリルチャックには、インパクトドライバーで使用できない製品もありますのでご注意ください。
パイプソー


雨樋を切り取るために必要です。一般的なノコギリではなく、プラスチックや塩ビパイプに適したパイプソーを使用しましょう。
雨水タンクをDIYで設置する手順
部品と工具がそろったら、雨水タンクを設置していきましょう。
大まかな流れは次のとおりです。
- 雨水タンクにバルブを取り付ける
- 雨水タンクに取水口を作る
- 雨水タンクと雨樋を接続する
それぞれの手順を一つひとつ、実際の写真とともに解説します。
雨水タンクにバルブを取り付ける手順
まずは雨水タンクを設置する場所を決め、このように排出口にバルブを取り付けます。

- 雨水タンクを設置する場所を決めます。
雨樋の近くで、できるだけ日が当たらない場所がおすすめです。

- 設置する場所の草を刈り、地面を平らにします。

- 雨水タンクの土台となるブロックを置きます。
高さ15cmのブロックを使用していますが、もっと高くてもいいと思います。高さがある方が、バケツやじょうろに水を入れやすいです。

- ブロックの上に雨水タンクを載せます。
壁に寄せ過ぎると、雨水がたまったときに、重さ(500L=500KG)で壁に圧力がかかってしまう可能性があります。壁とタンクとの間に、少しすきまを空けておきましょう。場所を一度決めたら簡単には動かせないので、特に排出口の向きにご注意ください。

- 排出口のキャップを外します。
排出口のキャップを外し、ここにバルブを取り付けていきます。

- 排出口に取り付けるジョイントを用意します。
最初に取り付けるのはジョイントです。このように、ゴムパッキンを奥までしっかり押し込みます。

- 排出口にジョイントを取り付けます。

- 続いてはこちらのニップルを用意します。

- ジョイントの先にニップルを取り付けます。
ゴムパッキンが付いている方がジョイント側です。

- ニップルの先にバルブを取り付けます。
バルブの本体部分を回して締めていきます。締めすぎるとニップルが破損するおそれがありますので、力いっぱいに奥まで締めようとしないようにご注意ください。

- 以上で、排出口へのバルブの取り付けは完了です。
バルブの赤い栓を回すと、このように水の出口が開きます。

雨水タンクに取水口を作る手順
次に、雨水タンクに穴を開けて取水口を作り、ホースをつなげられるようにします。

- インパクトドライバーとホールソーを用意します。
インパクトドライバーとホールソーを使って、雨水タンクに取水口を作るための穴を開けていきます。

- 取水口の位置を決めて、まずはドリルで小さな穴を開けます。
取水口を作る位置は、雨水タンクの天井でOKです。ホールソーがスムーズに入るように、まずは小さな穴を開けます。

- ドリルで開けた穴にホールソーの先端を当て、まっすぐに丸い穴を開けます。


- 飛び散ったゴミを洗い流します。
バルブを開けた状態で雨水タンクを傾けると、ゴミが流れ出ていきます。畑にプラスチックゴミをまかないように、排出口の先に目の細かいザルを置くといいです。

- ホースをつなぐためのソケットを用意します。

- ソケットのネジ側を下にして、ホールソーで開けた穴に差し込みます。

雨水タンクの外側 
雨水タンクの内側 - 雨水タンクの内側から、ソケットのネジを締めます。

- 以上で取水口の完成です。
このように、雨水タンクにホースをつなげられるようになりました。最後にホースの長さを調整するため、この時点ではまだホースバンドの締め付けは不要です。

雨水タンクと雨樋を接続する
最後に、雨樋に集水器を取り付けて、雨水タンクとホースで接続します。私が1号基を自作する際に失敗した、雨樋を切り取る作業があります。少し緊張する作業ではありますが、丁寧にやれば

- 雨樋を切り取って、こちらの集水器を取り付けていきます。

- 集水器を取り付ける位置を決めます。
私が1号基で失敗したのは、この位置決めです。雨樋を低い位置で切り取ってしまったため、雨水タンクとの高低差がほとんどなくなってしまいました。水は上から下に流れるので、集水器はタンクの取水口よりもできるだけ高く、なおかつホースが無理なく届く位置に取り付けます。

- 雨樋を切断する位置(上部)に、マスキングテープで印をつけます。
集水器の位置を決めたら、まず雨樋上部の切断箇所にマスキングテープをまいて貼り、印をつけます。雨樋をまっすぐ切断できるよう、マスキングテープができるだけ水平になるように貼ります。

- パイプソーで雨樋を切断します。
マスキングテープに沿って、まっすぐ切断します。

- 同様に下部にもマスキングテープで印をつけます。
集水器の高さよりも、雨樋を長く切断しないようにご注意ください。目安としては、集水器の出口(ホースを取り付ける部分)のあたりです。

- パイプソーで雨樋を切り取ります。

- 切り取った雨樋の間に集水器を取り付けます。

- 集水器にホースをつなぎます。
ホースバンドを使って、しっかりと固定してください。

- ホースの先を雨水タンクの取水口につなぎます。
ホースが長すぎる場合は、ホースを切って調整します。雨樋と雨水タンクを無理なく接続でき、たゆみすぎない程度の長さがちょうどいいです。

- タンク内に水道水を少し貯めて、銅板を入れます。
銅板は必須部品ではありませんが、抗菌作用があるとされているため、タンク内に入れておくのがおすすめです。

- 最後にマンホールのふたを閉めて完成です。
以上で、雨水タンクのDIY設置が完了しました。雨が降るのを楽しみに待ちましょう。まとまった雨が続くと、2~3日でタンクが満水になることもありますよ。

雨水タンクを5年以上使ってみて

2021年5月に1号基を設置して以来、雨水タンクを使い始めて5年以上が経ちました。これまで大きな問題はなく、現在も問題なく使えています。畑の水やりをはじめ、収穫した野菜や果物の水洗い、農具の洗浄、汗だくになった作業服の下洗い、鶏の飲み水など、さまざまな用途で活躍しています。
当農園に設置している4基の雨水タンクには、オーバーフロー用の配管を別途取り付けていません。雨樋に取り付けた集水器「カクダイ 雨水取出し継手 571-512」に、タンクが満水になった際のオーバーフローを防ぐ機能が備わっているためです。そのため、雨水タンクに排水用の配管を追加することなく、密閉した状態で使用できています。
密閉した状態を保てているためか、雨水タンクのトラブルとしてよく挙げられるボウフラも、当農園ではこれまで発生したことがありません。蚊などの虫が入り込む隙間がほとんどないことが、功を奏しているのかもしれません。
自治体によっては、雨水タンクの設置費用を補助する制度を設けている場合があります。制度の有無や補助対象、申請方法などは、お住まいの自治体の公式サイト等で確認してみてください。
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